ストレッチが大事、身体が硬いとケガをしやすい、そんな話は何度も聞いてきた。
でも実際どうだろうか。
そもそもストレッチしても柔らかくならない、
身体が硬いのにケガを一切しない選手もいてストレッチを頑張ってたのにケガをする選手もいる、
柔らかくなってきたけど競技で使えているか分からない、
具体的にどこが競技で活かされるのか分かりにくい。
そんな風に感じていないだろうか。
今回は柔軟性を競技に繋げるポイントを解説します。
まず、柔らかいことが絶対的に必要なわけではありません。
例えば腰椎と言われる腰骨や、肩関節は柔らかすぎる(≒動きすぎる)ことでケガの原因にもなります。
腰椎分離症という腰の疲労骨折や野球肩(SLAP損傷、インピンジメント症候群など)がその代表です。
一方で、柔らかい方が競技に繋がりやすい部位も確かに存在します。
肋骨や胸椎、肩甲骨、股関節などです。
上記の関節は現代の生活様式に対して硬くなりやすいという特徴があります。
長時間の椅子座位生活(授業やデスクワーク等)によって股関節は曲がったまま、背骨は丸まったままになります。

そのため股関節は伸ばしにくくなり、胸も起こしにくくなります。
股関節も胸椎も伸びなくなることで、その間にある腰椎が身体を起こす動きの主体となってしまうと腰を痛めてしまうという悪循環が生まれます。
つまり何を言いたいかというと、柔らかければいいのではなく、全身の中で柔らかい部位と硬い部位のアンバランスがよくないということです。
いつものストレッチ、では硬さに偏りが出やすい。
開脚はすごく柔らかいけど胸は硬い、ブリッジが上手で背骨がすごく柔らかいけど股関節は硬い。
そんな選手はプロレベルでも意外と多いです。
これが1つ目の、柔軟性があればあるだけ良い、というわけではない話です。
2つ目は競技との関連について考えます。
実際、ストレッチをすることで競技動作がすぐに変わる選手もいます。
逆にどれだけ柔らかくなっても競技になるとぎこちない動きに戻ってしまう選手もいます。
この差はどこにあるのでしょうか。
学術的には運動学習や神経系の話なども入ってきますが、今回はもう少し個人レベルで考えてみたいと思います。
私が感じている柔軟性と競技動作に繋がりやすい人と繋がりにくい人の差は、競技をベースに考えているかどうかです。
ストレッチをするときは言われた通りにやって、トレーニングをするときも言われた通りにやって、競技練習をするときも言われた通りにやっている人ほど、上手くいきません。
耳の痛い話かもしれませんが、あまりコーチの言うことを聞かないように見える選手の方が競技動作が滑らかだな、と感じたことはありませんか?
これも理由があるのです。
前者、つまり言われた通りにやる選手は、一つ一つがバラバラの時間になってしまいやすいのです。
ストレッチはストレッチ、トレーニングはトレーニング、競技は競技。
そうすると競技中は”いつもの”動きに戻ってしまいます。
後者のあまりコーチの言うことを聞かないけど上手い選手、というのは自分で判断しています。
このストレッチは競技に関係あるのか?このトレーニングをして意味があるのか?
この判断の結果、意味がないと判断したことは積極的にやろうとしないため、外からは不真面目な選手、という印象を持たれやすいです。
しかし、これは競技に繋がっていると感じたり、自分が苦手な動きの感覚と似てる!と感じればそのストレッチやトレーニングに真剣に取り組みます。
そして競技動作までの繋がりが自分の中で明確なので、意識的に競技動作を変えていくことができるのです。
例えば球技なら、ボールを使うとすぐにいつもの動きに戻ってしまうということがよくあります。
これは運動パターンが固定されているからなのですが、運動パターンを壊すこともトレーニングによってできるようになっていきます。
いつもは肩を回す意識だったけど、腰から回してみよう。
こんな風に、”いつもの動作”を”いつもと違う意識”でやること。
これができないとどれだけ身体が変わっても競技動作が変わらない、ということが起こってしまいます。
最終的には意識しない動きが変わらなければプレーの中では使えませんが、自分の動きに対して様々な意識を変えて行えるようになることはスキル習得を早める道だと思っています。
そのためtaoではボールの大きさや重さを変えて同じ動きをしてもらったり、意識する部位を変えて同じ動きをしてもらったりしながら、自分の運動パターンを崩す練習もよくします。
柔らかくなることで意識できる部位も範囲も増えるので、柔軟性の向上とプレーが初めてつながってきます。
意識はできるのに身体がついてこない、という状態になれば身体を変えること自体はそれほど難しいことではありません。
それよりもまずは、自身の運動パターンを崩せるように練習することが重要です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
